平成最後となる、4月30日、あいにく雨模様ですが、天皇陛下は、皇居にある宮中三殿で、退位礼正殿の儀の実施を告げる「退位礼当日賢所大前(かしこどころおおまえ)の儀」などの儀式に臨まれました。
皇太子さまや秋篠宮ご夫妻ら皇族方の方々や、宮内庁や皇宮警察の職員ら約50人が参列しました。
天皇の装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を身に着け、皇祖神とされる天照大神を祭る賢所に姿をお見せになられました。
ゆっくりと回廊をお歩き、一礼して賢所の内陣へ入り、退位礼正殿の儀を行うという趣旨の「御告文(おつげぶみ)」を読み上げられました。
歴代天皇や皇族の霊を祭る皇霊殿、国中の神々を祭る神殿でも同様の所作を行いました。
天皇のみが許されるという、黄櫨染についてまとめました。
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黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)とは
黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)とは、平安時代から天皇が重要な儀式の際に着用する束帯装束の、「黄櫨染」の色の袍(ほう)のことです。

黄櫨染(こうろぜん)は櫨(ハゼノキ)の樹皮とマメ科の蘇芳(スオウ)から、染め出される色になり、「赤みがかった黄色」や、「黄がかった茶色」などと言われますが、時代や着る人の年齢などによりかなり幅のある色です。
黄櫨染が禁色の理由は?歴代天皇の御袍違う色?(こうろぜんのごほう)
黄櫨染は非常に難易度の高い染色技術が必要とされ、熟練工であっても毎回同じ色を染めることはできず、安定して色を出すことは不可能とも言われています。
この色を再現するには、染料を抽出するために、多くの材料を必要としたことと、普段はしっとりとした色ですが、太陽光を通すことで、染布の裏側が真っ赤に輝くそうです。
その迫力に驚かされ、天皇以外は禁色とされたそうです。
参照元:http://yumeyusai.jp/yumekouro/
こちらは、明治天皇御料(御物)(宮内庁HP)なのだそうです。
そして、令和の天皇が即位された時のもの。
天皇しか着られない色らしいですが、今日私が着てる服まあまあこの色に近いので即位したらどうしよう(しない)おはようございます。 pic.twitter.com/W0lbDI6Eb8
— たかみざわ (@kingslime9) October 22, 2019
ネットでは、ほんとうに黄櫨染御袍なのかと疑問視している声もあります。
いろいろ考えると疑わしいのですが、同じように染色できる職人がいないのか、真実はわかりません。
退位の礼なので、天皇が重要な儀式で着用する黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)について。そもそも黄櫨染とは紫が世界最高位とされていて、嵯峨天皇の時代(820年)以降、赤みの暗い黄褐色を黄櫨染位とし、天皇以外は用いることが出来ない絶対禁色となりました。時代も変わり現代では雛人形等で(文字 pic.twitter.com/RoYk6Rsa3F
— りょう(福岡) (@BM_bigmouth_) 2019年4月30日
まとめ
色彩検定を受けたときの、カラーチャートで見るのと、実際のものを目にすると、同じように見えないです。
天皇の存在が高貴で神秘とされていたと思うので、太陽光により色の変わる生地をまとうのは、権力や財力だけでなく、一つの演出でもあったと思います。
今は、一般庶民でもテレビやネットで簡単に目にすることができますが、そもそも昔の一般人は、一生目にすることなどできません。
ごくごく一部の人にしか、感動を得ることができなかったんですね。
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